17 NEWSLETTER梅村 昌宏地域医療支援学講座(寄附講座) 特任助教す。本邦の全国調査による推定患者数は 2 0 0 4 年 1 1 . 6 / 1 0 万 人 から 2 0 1 8 年 33.8/10万人へと約3倍に増加しています。現在、国内で保険適用がある治療はウルソデオキシコール酸(UDCA)内服とという課題がありました。もつ遺伝子改変マウスに着目し、化学物原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、自分の免疫が肝臓内の細い胆管を攻撃し、かゆみや黄疸、肝硬変へと進む難病で肝移植のみで、UDCA無効・不耐例は死亡または移植リスクが高く、新規治療の開発が求められてきました。ところが患者さんそっくりの病態を示す実験動物が少なく、原因解明や薬づくりが進みにくい私たちはヒトと同じ胆汁酸バランスを質(2オクチン酸)と高脂肪餌を組み合わせて世界初の“PBC肝線維化モデル”と“PBC肝硬変モデル”を確立しました。このモデルを詳しく調べると、毒性の強い胆汁酸が増え、腸内細菌の組成も変わり、その影響が肝臓・胆管での炎症や線維化を悪化させる仕組みが見えてきました。RNA-seq解析などさらなる詳細な検討を進めております。今後は、「薬によるPBCの病態改善」やPBCでおこる「かゆみの病態解明」など、PBCで苦しむ方々のQOL向上に貢献したいと考えています。また、PBC発症のメカニズムについてもわかっていないことが多いため、研究課題として取り組みたいと思っております。さらに、国内外の研究機関と連携し、臨床検査値や患者さんの症状とモデルの変化を突き合わせることで、個別化医療へとつなげる足掛かりを築けるように研 究をしていきたいです。将来的には新薬候補の迅速な評価にも活用できると考え、最終的にはPBC克服を目指します。家族で虎にびっくり!?タイミングが合えば子供2人と動物園や水族館にいくことも。子供に虎が迫ってきて迫力満点でした。切り替えが大切オンとオフの切り替えを大切にしています。家族と過ごす穏やかな時間で心身を整え、肝臓内科の臨床と研究に邁進します。家庭菜園始めました今年からプランターでの家庭菜園を始めました。ミニトマトが大量に収 穫でき、今 後は育てる種類を増やしてみたいと思います。研究室を出ると・・・私の研究原発性胆汁性胆管炎モデルマウスで疾患の病態を解明する〜未来を担う若手
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