浜松医科大学 NEWSLETTER 2022.10(Vol.49 No.1)
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3NEWSLETTER政府が令和元(2019)年に発表した「AI戦略2019」では、AI人材を育成するための仕組み作りが戦略目標として定められ、文理を問わず全ての大学・高専生が「数理・データサイエンス・AI」の初級レベルの能力を習得し、自らの専門分野への応用基礎力を習得することが掲げられています。すでにいくつかの医学部/医科大学ではデータサイエンス教育が医学教育の中のカリキュラムに組み込まれはじめており、高校では、2022年4月よりアルゴリズムやプロこれまでも本学は「ものづくりのまち・浜松」の地域性を活かして、産官学金が強固に結びついた活発な活動を展開しています。当センターは臨床現場の第一線で活躍する医師が3名配置され、医工情報の連携によるメディカルDXの推進や、企業と医療現場を結ぶ窓口の役割も担っています。医療現場に精通した医療人として、医療機器・医療システムの新規開発に携わり、医療分野の課題を工学・情報学的発想のもとに解決し、デザイン思考に基づく医療機器やアプリケーションの研究・開発など、製品化等を通じて社会に貢献することはもちろん、附属病院を活用した実証実験の計画・実施など、新しい製品開発をサポートし、地域の医療分野のスタートアップ事業に大きく貢献します。また、教職員だけでなく若い学生の新しい視点からのアイデアを育てるためにグラミング等を学ぶ「情報I」が新しく共通必履修科目となりました。令和7(2025)年頃には高校で必修としてプログラミング教育を受けた学生が本学にも入学してくることとなります。このような状況を受け、本学においても本年4月より、データサイエンス教育が開始されました。今年度はこれまでの学内関係教員に加えて、静岡大学情報学部から3名の非常勤講師を招き、最先端のAI・データサイエンスについての講義をして頂きま「Flulu」を開催しています。FluluはApril Fool's day が年に何度もあってもいいのでは?という話がきっかけで始まった企画です。例えば「縫合糸が医療現場から無くなり、使わなくて良くなりました」といった理想的な「ウソ」を提案し、否定せず、それを解決するにはどうしたらいいか、学生も教職員も立場に関係なく、本気で考えます。とにかく自由に発想し、それを誰かに伝えられる場を作りました。この取組が学生のアントレプレナーシップの涵養となることはもちろん、ここから提案された「ウソ」が世界を驚かすアイデアのきっかけになることを期待しています。地域貢献についてもDX推進の視点から、当センターとして力を入れています。今年度、大学の主催する社会貢献事業の一環として地域の小学生高学年向けに「#学ぼう!脳のしくみ#やってみよう!新しいアイした。さらに、来年度以降は文部科学省の認定する「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」に準拠し、AI・データサイエンス講義や実習の充実を予定しています。Nx-CECで取り組むデータサイエンス教育により、ビッグデータ解析やAI活用の手法を身につけた医療人を養成し、医療現場の諸課題に対して、最適な解決方法を探索し創出する人材の育成を目指します。デアのひらめき教室」を開催しました。人間の脳の神経回路とAIについて勉強し、脳パズルをしたり、ピンセットで折り紙をして上手になるための工夫を考え、ひらめきのスキルを学ぶ体験型教室を実施しました。今後は社会人に対するリカレント教育として、アントレプレナーシップ・データサイエンス教育プログラムの開発も検討し、「ものづくりのまち・浜松」の地域性をさらに飛躍させる取組を実施していきます。Fluluポスターデータサイエンス部門メディカルDXの推進

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