浜松医科大学 NEWSLETTER 2022.3 (Vol.48 No.2)
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私の研究アトピー性皮膚炎は、日本では人口の10%前後の方が罹患している頻度の高い皮膚疾患です。アトピー性皮膚炎の患者さんは、強い痒みを伴う湿疹が全身に広がり、QOLは大きく障害されています。これまではステロイドの塗り薬や免疫機能を抑える内服薬しかなかったのですが、近年、生物学的製剤というサイトカインを抑える治療が登場し、アトピー性皮膚炎の治療は著しく発展しています。しかしながら、生物学的製剤の治療を中止すると再燃してしまうことがほとんどで、未だに根本的治療がないのが現状です。 我々は、アトピー性皮膚炎だけでなく、他の皮膚疾患においても皮膚の中に浸潤している炎症細胞、特にT細胞という研究室を出ると・・・NEWSLETTERリンパ球に着目して研究してきました。皮膚疾患ではこのT細胞が疾患に大きく関与していることが多いのですが、一つ一つがとても小さく数も少ないため、解析はとても困難でした。 我々が独自に開発した手法を用いることで、検査のために採取した皮膚の一部から皮膚のT細胞を取り出して解析を行うことができるようになりました。そこから得た情報を基に実際どのタイプのT細胞が病態に強く関与しているか、またはどのようにT細胞が活性化して、病気を発症しているかを明らかにするために研究を行っています。これらのメカニズムが解明できれば、現在の治療では効果がなかった患者さんに新しい治療の選択肢として提供できるだけでなく、アトピー性皮膚炎の根本的な治療にもつながっていくと考えています。皮膚科学講座 助教今、ゴルフにハマっています!最近、運動不足が気になり、昔やっていたゴルフを再開してハマっています。今はなかなか時間がとれず練習場に行ってばかりで、ゴルフ場には行けていないですが、いずれ家族や友人とラウンドに行きたいです。休みの日は家族と休日は、イヤイヤ期真っ盛りな娘の育児に奔走しています。平日は家族が見てくれているので休日はその分頑張って育児に参加しています。座右の銘は“今できることをやればいい”これは、私がすごく感銘を受けた本のタイトルです。将来のことを不安に思ったり、過去のことを悔いたりしてしまいがちですが、今この瞬間に集中すればいいと自分に言い聞かせています。いい景色でのラウンドはとても気持ちいいです。20栗原 和生 研究者紹介〜アトピー性皮膚炎を皮膚に存在するT細胞から解明する

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