浜松医科大学 NEWSLETTER 2022.3 (Vol.48 No.2)
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研究室を出ると・・・私の研究令和2(2020)年から続くコロナ禍により、高齢者では活動量や認知機能の低下、社会参加の減少等が生じており、フレイル予防の重要性が高まっています。フレイルとは英語の「Frailty」の日本語訳で加齢とともに心身の機能が低下した状態を指しますが、フレイルの中でも筋力低下等の身体的フレイルに認知機能障害が併存する場合をコグニティブフレイルと言います。コグニティブフレイルの状態にある人は、要介護リスクが健常者に比べて4倍ほど高いことが知られていますが、一方でコグニティブフレイルは適切な支援や介入により改善することも報告されており、コロナ禍の介護予防においてはコグニティブフレイルを早期発見し、支援していくことが重要な課題となっています。 私たちは現在、浜松市内の介護予防教室の参加高齢者を対象として、コロナ禍におけるコグニティブフレイルに関する調査を行っています。調査によりコグニティブフレイルは、コロナ禍における教室参加や口腔機能と関連があることが明らかとなってきており、この結果を踏まえてコグニティブフレイルを予防・改善するための支援プログラムを検討しています。具体的にはコロナ禍においても継続的に実施できるよう、ICTを活用した遠隔運動指導・栄養指導、介護予防教室にて実施する集団認知機能訓練などを検討していますが、高齢者のICTリテラシーなど様々な難壁に挑んでいるところです。今後はこの研究の成果をもとに、介護予防教室だけでなく、入院中の高齢者など多くの方にコグニティブフレイルの予防・改善に向けた支援を行っていきたいと考えています。臨床看護学講座 講師ツーリングと登山が趣味です「バイクのふるさと」浜松に引っ越してきたからには、色々なところにツーリングに行きたいと思っています。また静岡県には富士山以外にも魅力的な山がたくさんあるので登山も楽しみです。来年度は南アルプスの山小屋が営業するようお祈りしています。目標これまで遠隔医療・看護などに携わっており、工学など他分野と連携した新しいケア方法の開発・普及を目指しています。また今後大学院の科目等で、医療や工学、情報学等の多分野の学生がデジタルヘルスについて学習する機会を設けていきたいと考えています。19NEWSLETTERコロナ禍における介護予防教室参加高齢者のコグニティブフレイルと支援プログラムの開発金盛 琢也〜未来を担う若手

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