浜松医科大学 NEWSLETTER 2022.3 (Vol.48 No.2)
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NEWSLETTERの献眼者を数えます。静岡県内のライオンズクラブ、眼科医、ボランティアを中心に、多数の方々の長年にわたる努力の結果であり、特に静岡県東部の活動がさかんです。眼球摘出は県内の眼科勤務医、順天堂静岡病院、浜松医科大学だけでなく、東京大学、順天堂大学、県内の開業医の協力によって成り立っています。私は平成19(2007)年から平成31(2019)年まで静岡県アイバンクの理事長を務めましたが、県内のアイバンク活動の実績に比して、認知度の低さを心配していました。遺族にとって、献眼することに最後まで抵抗があるのも事実です。県内の、特に東部の医療機関に勤める先生方に、この活動についてご理解いただけると幸いです。故人の体の一部が本来は令和2(2020)年11月に予定していましたが、コロナ禍により1年延期したうえでの開催となりました。 10月に緊急事態宣言の解除もあり、現地とライブ配信のハイブリッド形式にて何とか行うことが出来ましたが、この原稿依頼時期にはオミクロン株の知らせもあり、無事に終えることが出来たことに胸をなでおろしております。 医療ガス学会についてですが、酸素、二酸化炭素、ヘリウムなど医療ガスは、医療に必須のものです。特に酸素を中心とした医療ガスは電気や水と同様、病院におけるライフラインの一つと位置付けられ、近年、医療ガスはガス性医薬品として認識されてきていることから、地震等の災害時の医療ガスの「安全」と「安定した供給」は急務の課題であり、そこを議論していくための学会です。 特別講演は地球の歴史における大気、特に酸素濃度の変遷について、シンポジウムは「災害に強い病院作り」とし実際に被災された病院での病気で困っている患者の体の一部となり、光となって生き続けていきます。多忙の中でも骨をおる価値のある仕事であることを是非知っていただけたらと願います。講演をもとに議論しました。教育講演では本学放射線診断学講座の五島聡教授から医学におけるヘリウムについて周辺知識も含めわかりやすい話をいただきました。直前に緊急事態宣言が解除されたこともあり、それまでのWEB開催単独とは異なり、感染対策に注意しながら現地で活発に議論されたことが印象的でした。開催にあたり相談させていただきました関係部署の皆様方には心よりお礼申し上げます。準備・運営に際しては万全のコロナ感染防止対策を行い、参加者にも手指消毒や座席間隔の確保等に協力していただき、無事オンサイトで開催することが出来ました。実際に集まり活発に議論したことで、バーチャルでは得られない意義があったと思います。残念ながら、懇親会は3密を避けるため、苦渋の決断で開催しませんでしたが、皆さんが幾つかの小グループに分かれて、それぞれ浜松の食文化を堪能されたようです。主催者としてほっとしています。最後になりましたが、運営をすべて手弁当でやってくれた講座のスタッフと大学院生にこの場を借りてお礼を述べたいと思います。大会長挨拶一般演題発表でのディスカッションの様子大会事務局スタッフ集合写真麻酔・蘇生学講座 教授中島 芳樹集中治療部 副部長御室 総一郎神経生理学講座 教授福田 敦夫第24回日本医療ガス学会学術大会・総会 令和3(2021)年10月30日に、標記学会を麻酔・蘇生学講座 中島芳樹会長のもと静岡市で開催し、 テーマは『医療ガス最前線』としました。第48回日本脳科学会第48回日本脳科学会を令和3(2021)年12月4-5日に浜松市地域情報センターで開催しました。脳科学会は昭和49(1974)年に発足した歴史ある学会で、今回のテーマは「シームレスな脳科学研究が開く扉」としました。脳と心に関心ある研究者が一つの会場に集まる脳科学会の最大の強みを生かして、精神神経疾患や神経難病そして発達障害の病因・病態から予防・治療・機能回復、さらに健全な精神の成育に向けた教育に至るまで、シームレスな研究連携を目指しました。特別講演では生理学研究所 鍋倉所長、千葉大学 伊豫教授、名古屋大学 和氣教授、本学の才津教授、田中教授に、基礎実験研究・ヒト研究・臨床研究を網羅した、まさにシームレスなご講演をいただきました。シンポジウムでは子どものこころを巡る課題やそのサポートシステムについて4名の演者よりご報告いただき、初企画の「奨励賞受賞者成果報告」では、過去大会の奨励賞受賞者にその後の進展を披露してもらいました。16

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