浜松医科大学 NEWSLETTER 2022.3 (Vol.48 No.2)
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NEWSLETTER本大会では、若草第一病院の今田光一先生に「医療秘書として知っておきたい電子カルテの知識」という教育講演をお願いするとともに、大会 新型コロナウイルス第5波の大波の中、令和3(2021)年9月3、4日に第45回日本女性栄養・代謝学会学術集会ならびに第10回日本DOHaD学会学術集会を合同でWEB開催致しました。日本女性栄養・代謝学会は半世紀近い歴史がある産婦人科を主体とした臨床系の研究会として歩んで参りましたが、近年学会化に伴い、女性の栄養摂取という視点から栄養士、看護師、助産師など多様な職種の皆様にも広く参加して頂く事を目指しています。妊婦の栄養摂取に介入することで母体の合併症や周産期事象の改善を目指すというコンセプトに世界に先駆けて先鞭をつけた学会であります。一方、Developmental Origins of Health and Disease (DOHaD)は比較的新しい概念であり、胎児期(妊婦)や乳幼児期などの発達期における栄養などの環境因子が成人期や老年期の生活習慣病発症のリスク因子となるという学説であります。新たな研究領域を探索する日本DOHaD学会は若く成長期にある学会令和3(2021)年9月17日、18日に内科学第三講座 免疫リウマチ内科 小川法良病院准教授を大会長として、ハイブリッド形式で開催いたしました。本学術集会の会員は、中部地区のリウマチ性疾患の診療に関わる医師とメディカルスタッフです。リウマチ学の分野では、平成20(2008)年に目標達成に向けた治療(Treat to Target; T2T)が提唱され、「寛解の達成と維持」が関節リウマチ治療の基本的な考え方となりました。約10年の時を経て、最近は「寛解の達成と維持」だけでなく、患者目線の主観的評価である患者立脚型アウトカム(Patient Reported Outcome: PRO)という指標を重視していこうという流れが広まってきました。PROという言葉など全くなかった遥か昔、当科初代チーフの仁瓶長企画とも言えるシンポジウム「次世代の医療秘書・医師事務作業補助者に期待すること〜入職前教育と入職後教育のあり方〜」を開催しました。そこでは就職前・就職後の実務者の教育に関わる4人の演者と密な議論が行え、個人的にも満足度の高い時間が過ごせました。また、当日は一般演題も10題採用でき、全国からの聴講者(参加者)も317人と盛況な会になりました。当時はWEB開催が当たり前の状況ではありましたが、できれば皆様に浜松に来ていただきたかったというのが本音です。それでも、WEB開催に伴う大きなトラブルもなく遂行できたことに感謝するとともに、改めて、この分野がもっと医療界に注目されるように今後も尽力していきたいと思います。禮之先生は、口癖のように「患者さんをみるときは“Make the Patient Happy”だ」と言っておられました。仁瓶先生に敬意を表し、本会のテーマにしました。 緊急事態宣言下という悪条件にもかかわらず、約100題の一般演題がありました。本学会では初めての試みとして、20演題を学会奨励賞候補演題に選出し、2題に学会賞、1題に特別賞を授与いたしました。ハイブリッド開催は初めてであったことや、台風の影響があり、当日の運営に大きな不安がありましたが、想定を大幅に上回る参加者を集め、予定したプログラムを滞りなく終えることができました。ご参加、ご支援いただきました皆様に心から感謝申し上げます。大会長あいさつ医療福祉支援センター センター長小林 利彦産婦人科学講座 教授伊東 宏晃です。妊婦の栄養摂取の影響を母体の予後と児の予後という異なる視点からの探求に源流をもつ両学会の学術集会を合同開催することで、妊婦の栄養摂取を基軸として多種多様な領域の基礎系研究者と臨床系研究者の皆様の交流が深まり、新たなコラボレーションや研究のシーズが芽生えることを期待し、テーマは「女性の栄養とトータルライフヘルスケアの世代継承性」と致しました。幸い810人の方々に参加いただき、300人を越す助産師や管理栄養士の皆様にも参加いただきました。ご参加、ご支援いただきました皆様に心から感謝申し上げます。第三内科診療科群 助教下山 久美子日本医療秘書実務学会第12回全国大会令和3(2021)年8月29日に、日本医療秘書実務学会第12回全国大会が浜松医科大学と川崎医療福祉大学が協働のもと完全オンラインで開催され、その大会長を私が仰せつかりました。全国で唯一4年制による医療秘書学科がある川崎医療福祉大学を事務局本部とする本学会では、従前からある医療秘書学の領域を超えて、病院で働く医療クラークや医師事務作業補助者等の教育にも現在関わっています。私自身、平成24(2012)年に電子カルテが当院に導入された際、医療クラークの必要性を進言した結果、12人の派遣職員の教育担当者となり、この世界にデビューすることとなりました。現在では、全国の実務者の教育サポーターとして様々な場に呼び出されるようになりましたが、本学会はアカデミックという点で最も重視している会となっています。第45回日本女性栄養・代謝学会学術集会ならびに第10回日本DOHaD学会学術集会の合同開催を主催して第32回日本リウマチ学会中部支部総会・学術集会〜 Make the Patient Happy〜14

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