浜松医科大学 NEWSLETTER 2022.3 (Vol.48 No.2)
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令和3(2021)年7月1日付で光尖端医学教育研究センター・フォトニクス医学研究部の教授を拝命致しました。 私は平成15(2003)年に東京大学を卒業後、2年間の内科研修を経て東京大学医学部附属病院神経内科に入局し、神経内科医として研鑚を積みながら、診療・教育に携わって参りました。研究面では、平成19(2007)年に東京大学大学院に入学後、東京農工大学工学府との共同研究で非線形ラマン分光顕微鏡の開発に従事したことを手始めに、平成28(2016)年からの2年間は東京大学理学系研究令和3(2021)年8月1日付で子どものこころの発達研究センター教授・センター長を拝命いたしました。前任地であるロンドン大学バークベックカレッジでは乳幼児や自閉スペクトラム症などの発達障がいを持つ小児・成人を対象に、認知心理学や認知神経科学の手法を用いた基礎研究を行ってきました。特に、子どもがどのように社会や文化から学び、社会の一員として育っていくかについて関心があり、「社会脳」や「社会神経科学」と呼ばれる学際的な研究分野で発信を続けております。 本研究センターは、文理融合型の小児発達の准教授を拝命いたしました。 幼少期は東京の渋谷駅から徒歩20分程度の場所に居住していたため、小中学校の頃は学年が進むたびにクラスが少なくなり卒業直後に廃校するといった、都会特有のドーナッツ現象を経験して参りました。その中でも、コンクリートジャングルの狭間に生き抜く野生生物と戯れ、明るい空に存在する星を毎日観察し宇宙に夢をはせていました。そのおかげか視力検査では常に2.0を優に超えて、地下鉄のホームの端から逆端にある時計盤の数字や文字も容易に判別できるほど、コンクリート野生児として生き抜い科フォトンサイエンス研究機構に所属し、最新の光技術を学びながら、神経変性疾患や先天性代謝疾患などを対象に、光計測技術を用いた治療・診断技術の開発研究を行って参りました。 今後も光を用いた計測技術を治療や診断に活用する開発研究を推し進めると同時に、本学脳神経内科の中村友彦特任教授のご指導のもとで一人の神経内科医として診療や教育にも携わりながら、本学の研究・診療・教育に少しでも役に立てるよう、努力してゆきたいと考えております。ご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。学研究・大学院教育を進めており、医療や福祉、保健、教育など様々な分野で働く社会人学生の方も多く就学されております。今後も、学内の基礎・臨床講座の先生方と連携を深めつつ、地域社会で生きる多様な子どもの健やかな育ちに少しでも貢献すべく、医療に加えて保健・福祉・教育・行政など様々な現場の方々と手を携えた研究・支援を目指したいと考えております。こういった研究分野にご興味をお持ちの先生方や学生さんがいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお声がけください。何卒よろしくお願いいたします。てきました。その頃に養われた体力(眼力?)と精神力が研究への情熱の源となっています。現在の研究は、不思議な光を使って通常見えない生命の不思議を生体観察することが研究テーマとなっています。幼少期と比較して観察対象物が小さくなりましたが、世界で誰も見たことがないミクロな生命現象を日々追いかけております。幼少期の母校は無くなってしまいましたが、浜松医科大学に骨を埋めるつもりで今後も邁進していく所存です。皆様どうぞご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。追伸:余暇は遠州灘でマグロ釣りを目標に、より大物の地球を釣っております。光尖端医学教育研究センターフォトニクス医学研究部 教授長島 優子どものこころの発達研究センター教授・センター長千住 淳医生理学講座 准教授本藏 直樹【専門分野】脳神経内科、振動分光【専門分野】社会神経科学、実験心理学【専門分野】血管・神経生理学、非線形光学顕微鏡令和3(2021)年11月1日付で医生理学講座11NEWSLETTER

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