大学紹介

学長挨拶

学長



   学長 中村 達


 浜松医科大学は、昭和49年(1974年)に設立され、以来37年余経ちました。平成16年(2004年)4月に法人化され、国立大学法人浜松医科大学に改称しました。法人化後 7 年経ちましたが、この 7 年間に法人化による長所を生かし、教育、研究、診療のすべての面において環境は大きく変革されました。しかし、建学の理念は変わりなく、「優れた臨床医と独創力に富む研究者を養成し、独創的研究並びに新しい医療技術の開発を推進し、患者第一主義の診療を実践して地域医療の中核的役割を果たし、以て人類の健康と福祉に貢献する」ことを目標として、ますます発展して来ているところです。
 本学は、医学科と看護学科を有する単科大学です。医学科の卒業生は、国や県などの行政職、大学教授、研究所の研究員、病院の勤務医、あるいは開業医など医療の広い分野で活躍しています。
 高度な医療を提供するには、医師だけではなく優秀な看護師も養成する必要があり、平成7年(1995年)から看護学科を併設しています。平成20年(2008年)には、深刻な助産師不足に対応して、助産学専攻科を開設しました。また、大学院医学系研究科では、さらに専門知識を高めるため博士課程(医学)と修士課程(看護学)を開設しています。
 大学は、研究面において知の拠点としての役割が期待されています。浜松には世界的な企業が集積しており、光技術においても最先端をリードしています。その中で本学は、企業と共同研究や交流を深め、光医学の基礎的、臨床的研究分野に力を注いでいる点が特徴です。これらの研究のためにメディカルフォトニクス研究センターが活躍しており、質量顕微鏡、MRI、MD-CT、さらにサイクロトロンおよびポジトロンCT(PET-CT)などを備えています。これらを用いて極微弱光を検出する光技術を活用し、光の分野でミクロからマクロの領域まで、病態の診断研究、薬物動態などの研究、創薬等を目指すとともに最新の研究成果を世界に発信しています。臨床研究においても、手術ナビゲーターなどの医療機器の開発、光医学の応用によりリンパ流動態の研究など最先端の研究が 行われています。さらにゲノム関連の研究、こどものこころの発達研究も注目されていて、これらの研究は国の支援を受けて、地域産学官連携の研究拠点も学内に構築しているところです。また、創薬から臨床応用の過程で必須な、第 I 相から第 IV 相試験までの臨床試験を行うことができる探索的臨床研究センターを設置し、創薬分野にも貢献しています。
 医学部附属病院は、浜松市周辺の地域医療に貢献すべく開放型共同診療を行う、地域に根ざした病院です。病棟は33年目に新築され、平成21年(2009年)12月に新棟へ移転しました。これから外来棟を改修し、平成25年(2013年)に改修工事を終了する予定です。本院は特定機能病院であり、最後の砦的な病院を目指し、高度な医療のできる診断・治療医療機器および技術、人材を備えています。
 静岡県の人口は375万人超で、東海道沿線にたくさんの自治体立病院があり、医師不足が深刻となっています。医師不足に陥った原因はいろいろ考えられますが、静岡県は関東圏と愛知、京都方面からの医師派遣に依存していたこと、本学だけでの供給・派遣ではとても間に合わなかったこと、静岡県内に卒後定着した医師が少なかったことなども一因です。本学の卒業生は約半数が静岡県内に定着していますが、それでも医師不足は深刻な状態にあり、今後県内にたくさんの医師たちが定着するよう努力しています。臨床研修病院として地域の中核的役割を担い、今後さらに県内に定着する医師を増やし、地域に貢献することを目指して参りますので、本学に対し温かいご指導とご支援をお願い申し上げます。