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 ご挨拶

 

 今図書館は変わりつつあります。従来図書館は、「知の拠点」として「知識」を得るための本を供与すると共に、「思案」あるいは「思考」する静謐な空間を提供してきました。今、多くの図書館から本が消えつつあり、同時に、湿って黴くさい暗い空間も過去のものになりつつあります。明るく陽が射す広い机にパソコンを開いてディスカッションするのが普通に見られる光景です。

 浜松医科大学附属図書館も設立後四十有余年が経ち、「スマートライブラリー」と仮称する新たな図書館を目指す改修構想が練られています。「知の拠点」としての役割は変わりませんが、知識を得るための手段が大きく変わりつつある昨今、ニーズに応じた変革が図書館にも求められております。「知識の吸収」に加えて、「思案」「思考」の過程に不可欠な「議論」の場も普通に提供される状況になっているのです。議論による知識の共有と理論の熟成に寄与する場、またそのトレーニングの場の提供とも言えます。インターネットを通じた外部からの情報収集、外部への情報発信の拠点としての機能も強化しています。昨今どこにいても情報収集は容易ですが、図書館は情報発信コンテンツの作成支援、機関としての有効な情報発信の支援に関わりたいと思います。またインターネットを通じて「議論」の場を海外にまで拡大することも可能にします。PBLを含めた症例の議論、研究発表と討論等々、複数人が関わる国際的な「議論」の場を提供し、「国際化」と「コミュニケーション能力の育成」にも寄与できればと考えております。静かな読書スペース、また学修スペースを確保した上で、さらに高度な「知の拠点」を目指します。

 欧米の数百年の歴史を誇る図書館では、そこにいるだけで「知の拠点」としての威厳と存在感を感じることができます。存在そのものが「知識」と「知恵」を与えてくれるようです。たかだか四十有余年とは言え、先達が残してくれた貴重な図書を手放すのは大変心苦しい限りです。引き換えに確保したスペースに展開した「議論」の場で、新しい世代が新しい感性で「知の拠点」の足跡と息吹を感じ、「智を愛し希求」してくれることを願います。

     平成30年4月 図書館長 浦野哲盟