診療科案内

血液内科

科の責任者と概要

診療責任者 小野 孝明 病院講師 

 血液疾患全般にわたり診療を行っていますが、特に急性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫といった血液悪性腫瘍の治療が中心になります。スタッフは日本血液学会専門医 5名(うち血液指導医3名)で診療に当たっています。白血病に関しては、Japan Adult Leukemia Study Group(JALSG:日本成人白血病治療共同研究グループ)に参加し、厚生労働省の白血病治療研究班と連携して急性白血病の化学療法を中心とした治療成績の向上と日本における白血病治療の標準治療を確立するため多施設共同研究を積極的に行っています。当院は、新規抗がん剤の開発にも携わってきました。特に、急性前骨髄球性白血病(APL)に関しては新規分化誘導薬剤の開発(Am80)、さらには再発APL患者さんに対する亜砒酸の治験と臨床研究を行い、日本での同薬剤の承認と導入に努めてきました。一方、悪性リンパ腫と多発性骨髄腫に対しては、JCOG(Japan Clinical Oncology Group)のリンパ腫研究班に参加して全国的な臨床研究を行っています。さらに悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群の患者さんを対象とした治験も複数行っています。

 当科は附属病院8階東病棟で診療を行っています。本病棟は14床の無菌室があり、日本骨髄バンク、日本臍帯血バンク、非血縁者間末梢血幹細胞採取・移植の認定施設として、急性白血病、重症再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫等の疾患を対象に血縁者間及び非血縁者間同種造血幹細胞移植(骨髄バンクからの非血縁者間移植、臍帯血移植、末梢血幹細胞移植)や自己末梢血幹細胞移植を年間15から25件程度行っています。小児科医師、栄養士、薬剤師、看護師も含めた多職種で、移植患者さんも含めた血液患者さんの経過をカンファレンスで定期的に話し合ったり、リハビリテーションを早期に導入するなど、疾患治療だけではなく、患者さんのQOL(生活の質)の向上を目指し、日々努力しています。常時25-30名前後の患者さんが入院しています。

診断・検査・治療について

   血液疾患の診断には、造血の場である骨髄の状態をみることが重要になります。そのために腸骨(骨盤の骨)に専用の針を刺して、少量の骨髄液を吸引する骨髄穿刺という検査を行い、細胞の形態や造血の状態を調べます。また、血液悪性疾患の多くは染色体や遺伝子の異常が原因であることが多く、採取した骨髄液を使ってこれらの異常の有無を調べます。近年、白血病をはじめとした血液腫瘍性疾患の多くは、これらの異常の違いにより抗がん剤の反応性や治療方法が異なってくるため、これらの検査は必須といえます。悪性リンパ腫や多発性骨髄腫では病期(疾患の進行度)を判断するためレントゲン検査、CT、FDG-PETなどの画像検査が必要になります。これらの検査で病気の診断と進行度を確定した後、適切な治療を行うことになります。

 血液悪性腫瘍(急性白血病や悪性リンパ腫)では、抗がん剤による治療(化学療法)が一般に行われます。放射線療法を組み合わせる場合もあります。また、適応があれば、自己末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法や同種造血幹細胞移植も行われます。同種造血幹細胞移植においては、標準的な前処置や骨髄非破壊的前処置(やや抗がん剤の強さを弱めた移植前の処置)を用い、適応があれば65歳まで同種移植を行っています。慢性骨髄性白血病ではイマチニブ、ニロチニブ、ダサチニブといった分子標的治療薬、多発性骨髄腫ではサリドマイド、レナリドマイド、ボルテゾミブの導入により治療成績の大きな進歩が見られています。このように血液疾患では近年、治療が多様化しており、多くの疾患で標準的な治療を行うための治療ガイドラインが作られており、当院でもこれに沿った治療を心がけています。

得意とする診断治療

   血液疾患全般を扱っていますが、特に血液悪性腫瘍(白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄増殖性腫瘍等)を主に治療しています。特に急性白血病や慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群の重要な臨床試験を行っているJALSG(日本成人白血病研究グループ)やJCOG(日本臨床腫瘍グループ)のリンパ腫グループに参加し、臨床研究も含めた最新の治療が提供できる環境が整っています。さらに当院は、日本骨髄バンク、日本臍帯血バンク、血縁者間末梢血幹細胞採取・移植の認定施設であり、移植の適応があれば、非血縁者間骨髄移植、非血縁者間末梢血幹細胞移植や非血縁者間臍帯血移植を含めた同種造血幹細胞移植にも対応できます。

主な対象疾患

1. 白血病
  急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病
2. 悪性リンパ腫
3. 多発性骨髄腫
4. 骨髄異形成症候群
5. 骨髄増殖性腫瘍
  真性多血症、本態性血小板血症、骨髄線維症
6. 再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血
7. 特発性血小板減少性紫斑病(免疫性血小板減少症)
8. 凝固異常症
  血友病、フォンビルブランド病
9. その他
  白血球減少、様々な原因による貧血、血小板減少症、リンパ節腫大の検索など

取り扱っている特定疾患・高度な医療

 再生不良性貧血、不応性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、アミロイドーシス、同種幹細胞移植、血液腫瘍に対する遺伝子診断

施設認定

  • 日本血液学会認定研修施設
  • 日本骨髄バンク認定施設
  • 日本臍帯血バンク認定施設
  • 非血縁者間末梢血幹細胞採取・移植認定施設 
  • 日本臨床腫瘍学会認定施設
  • 日本がん治療認定医機構認定研修施設