静岡リウマチネットワーク
 

静岡リウマチネットワークに寄せて ― 腎臓専門医からみたリウマチ ―

 私は、福井県で主として血液透析患者さんを診ている病院に勤務している医師です。この度静岡リウマチネットワークの存在を知り感銘を受けましたので腎臓専門医の立場から感想を述べさせていただきます。
 現在関節リウマチの患者さんは約100万人おられるとのことですが、慢性透析を受けておられる患者さんも約29万人と推定されています。当院では今までに約1,000人の患者さんが透析を受けられましたが、この中で関節リウマチを合併された方は約10人でした。関節リウマチに罹られている患者さんは透析までいかなくても腎機能障害を伴っている人が多いというデータもあります。このため関節リウマチで何らかの腎合併症(最近は慢性腎臓病と呼ばれています)で、他院から当院へ紹介を受ける頻度も増えてきました。関節リウマチではメトトレキサートや生物学的製剤の使用が主流となっていますが、腎障害のある患者さんではこのような薬剤が投与できないか、あるいは投与に制限があることが多いと言われています。このような中ネットワークがあれば、近くで生物学的製剤の投与を受けることができるという利便性だけでなく、基幹病院で定期的に腎合併症のチェックも受けることができるという利点があります。以上のような観点からリウマチ専門医と一般病院や診療所が連携を組み患者さんの治療に当たるという静岡リウマチネットワークの存在意義は高いものがあると感じました。
 私も福井県の透析施設の先生方と協力し、2008年5月に福井県透析施設ネットワークの設立に微力を果たし現在事務局を担当しています。当ネットワークでは災害時の福井県透析施設間の協力体制作りを目指しています。さらに将来的には慢性腎臓病に関するネットワークも作りたいと思っており、その際には静岡リウマチネットワークの体制をお手本としたいと思っています。
 最後に静岡リウマチネットワークが今後もますます発展され、リウマチで苦しんでおられる患者さんの福音となることを願って結びの言葉とさせていただきます。

藤田記念病院院長 宮崎 良一

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