静岡リウマチネットワーク
 

メトトレキサート投与量に関するリウマチ財団の要望

 日本リウマチ財団より、国内のメトトレキサートの増量などを求める要望書が厚生労働省に提出されました。以下にその全文を掲載致します。

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日本リウマチ財団は種々の要望を厚生労働省に提出していますが、この度ここにご紹介するようにメトトレキサートに関する要望を厚生労働省宛に提出しました。

                         日本リウマチ財団発101号
                             平成20年10月30日

厚生労働省保険局
医療課長 佐藤敏信殿
                        財団法人 日本リウマチ財団
                             理事長 高久史麿

      メトトレキサート投与量の増量等について(要望)

 近年、関節リウマチの診療は生物学的製剤の相次ぐ登場により、革命的に進歩し、多くのリウマチ患者がQOLの向上という恩恵を受けております。
 しかしながら、生物学的製剤は大変高価であるため、安易な使用は国民医療費の増加をもたらす一方、生物学的製剤の使用で治療効果が格段に増すであろう患者が経済的理由により、これを使用できない例が日常診療において数多く見られます。
 関節リウマチの治療において、メトトレキサート(以下、MTXと言う)により、治療効果を期待できない場合、生物学的製剤を使用するよりも、まずMTXの増量を考えるべきであると考えておりますが、現在、診療方針の算定に置いて、関節リウマチ患者に対するMTX最大投与量は8mg/週となっており、MTXの使用量が制限され、結果的に前述のような、医療費の増加現象、患者の不利益を生む原因となっております。
 インフリキシマブ、エタネルセプトの全例調査において、MTX使用症例の約20%が最大量を上回って投与されている現状があり、心配される副作用の増大も葉酸代謝拮抗剤や葉酸を併用することにより軽減されており、安全性に対しても懸念はない者と考えます。
 欧米におけるMTXの使用は15mg/週より開始し、最大25mg/週まで増量、それでも効果不十分な例に生物学的製剤を投与するとの見解が示されております。人種差もあり、日本人においては、免疫抑制剤により肺障害を起こしやすいという事実もありますので、欧米における最大量の約60%の16mg/週までの増量をお願い致します。
 また、薬剤における間質性肺炎の検査指標となるKL-6検査も有用ですので、MTX等の免疫抑制剤の使用時は適時、検査可能となるよう要望致します。
 関節リウマチは長期の経過をたどる疾患であり、関節に障害を生じやすく、介護保険において特定疾患として扱われており、日常における生活指導も重要と考えられます。
 つきましては、DMARDs使用患者については、特定疾患指導料の算定ができるよう合わせてお願い致します。

*なお、この要望書は医薬食品局 中垣審査管理課長にも提出しました。
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