質問4 関節リウマチ患者では、キャリアと既往感染患者で B 型肝炎ウイルス再活性化の 危険性は違いますか?
回答4 B 型肝炎ウイルスの既往感染者とキャリアを区別して考えることが大切です。質問 3でお答えしたように、関節リウマチでは B 型肝炎ウイルス既往感染者からの再活性化に より劇症肝炎が発症することは非常にまれです。たとえ関節リウマチ治療中に B 型肝炎ウ イルスの再活性化が起きた場合でも、抗ウイルス薬で治療することによってウイルス量は 減少・正常化します。一方、キャリアの場合には、すでに血中にウイルスが検出される状 態ですので、再活性化が起きた場合にウイルス量が多くなり、肝炎を発症しやすくなりま す。日本リウマチ学会では、キャリアを含む B 型肝炎ウイルス感染者に対しては生物学的 製剤を投与すべきではないことをガイドラインなどで示してきました。あらかじめキャリ アであるとわかっている場合は、関節リウマチの治療前にかならず主治医に申告していた だく必要があります。またキャリアと診断された場合には、あらかじめ肝臓の専門医によ る抗ウイルス薬による治療を行ったのちに、関節リウマチの治療を開始することを検討し ます。